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927話

翻日次の朝、温楠はずっと私にまとわりついて、どうしても起きようとしなかった。

二人はこんなにべったり過ごすのは久しぶりだった。私がどれだけ多くの女性と関係を持とうとも、温楠は私にとって唯一無二の存在だった。三十歳になった温楠の体は丸みを帯びて成熟し、何も身につけていない彼女の温かい体が、私の上で、私の腕の中でまとわりつく感触を、私も十分に堪能していた。

残念ながら、今日はまだ山ほどの用事が私を待っていることは分かっていた。

「ねえ、どこにも行きたくないの。あなたの腕の中にいたいだけ、どこにも行きたくない……」

私が起き上がろうとすると、温楠は私をきつく抱きしめた。

この甘えた様子に、胸が高鳴る...