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873話

穆家への憎しみは、ずっと私の心に付きまとっていた。

後に黒十字という曖昧模糊とした存在が現れたが、結局それも実体のないもの。現実に確かに存在するのは穆青と穆家だ。

最初から、私の人生を支配し、すべてを破壊してきたのは、穆青というキツネだった。

だから黒十字だの左魔だのを知ったとしても、私にとって穆青への警戒心は彼らをはるかに上回るものだった。困ったことに、穆青というやつはいつも自分の痕跡を綺麗に消し去ることができる。だから穆家はハルビンで一度惨敗し、北京で一度敗北したにもかかわらず、穆青はまるで不死身のゴキブリのように生き延びてきた。

こう言ってもいい。

上海にいる今でさえ、黒十字の脅威よりも...