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871話

今回の件について、李恒星は私を責めなかった。それも当然だろう。李恒星のもつ影響力なら、あの小物たちに畏怖の念を抱かせるには十分だと判断したのだから。これはある意味、私の中で李恒星がある種の地位に到達していたことの証でもある。それが彼の虚栄心を満たしたことは間違いない。

この御曹司が好むのはまさにそういうことだ。

だが……

穆青と黒十字はどうなる?

李恒星のような人物は、誰に対しても笑顔で接するタイプだ。

しかし今回は、誰かが彼の命を何とも思っていなかったのだ。李恒星にとって、これはどれほど面目を潰される出来事だったことか!

彼の父親はまだ現役で権力の座にいるというのに!

だから李恒星は...