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836話

馬波は即座に表情を曇らせた。

明らかに彼はこの方向から考えたことがなかった。黒十字について、馬波も全く手掛かりがない。以前、京城にいた時、私は彼に調査を頼んだが、この件に関しては何の成果も得られなかった。

しかし、あの奇妙な母子は、黒十字のような神秘的な組織以外には考えられない。

もしこの件が本当に葉興策の仕組んだことなら。

彼は黒十字の人間なのだろうか?

これで、事態はまた複雑になってきた。

私は彼が単なる鬼谷門の反逆者だと思っていた。だが、もし本当に黒十字と関係があるとしたら、この状況は本当に皮肉なことになる。

私は馬波を見つめた。

馬波も私を見返し、口をへの字に曲げて溜息をついた。「兄貴...