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830話

宴会で群衆の中を巧みに立ち回る葉興策の姿を見つめていた。彼の周りには人々が集まり、全員が彼の気配りに満足している様子だった。この点では、趙文昭と少し似ている。だが、彼には趙文昭のような梟雄の気配がない。それどころか、官界特有のどこか不快な陰柔さを感じさせる。

私は淡く微笑んだ。「これは我々が想像するような一般的な人物ではない。葉興策が門を追われるリスクを冒してまで官界に入るための準備をし、厚黒学を研究していたなら、そんな人物は本来自分なりの頑固さを持っているはず。今日見せたような誠実で実直な人物であるはずがない」

誠実さについて言及し、私は鼻で笑った。「そんな人なら、今日の地位まで上り詰め...