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818話

これは私が初めて趙文昭がこれほど動揺している姿を見た瞬間だった。

これまで彼が私に与えてきた印象は、まさに「泰山崩れて前に在りても色変わらず」という冷静さだった。彼の姿は常に凛々しく、どんな難題も豪快な笑いとともに解決してきた。

だが今の彼は、どこか消耗し切ったように見える。

「一体どうしたんだ?」

趙文昭という人物と私の関係は互いを利用し合うものだと分かっていても、私は彼に偏見を持っていない。むしろ彼を尊敬している。

彼は表裏のない人物で、陰謀より堂々とした陽謀を好む。

そういう人間とは、付き合いやすい。

今の彼の様子を見て、私は少し心を痛め、彼の隣に腰を下ろした。

趙文昭は深く私を見つめた...