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613話

その時。

私は李恒星の犬舎の敷地内にある池の傍に座り、頭の中で描いた「海天盛宴」の新しいコンセプトを彼に熱心に説明していた。

我々二人の膝元には、それぞれ釣り竿が置かれていた。

おそらく私が興奮しすぎていたせいか、釣り竿までもが微かに揺れていた。

李恒星は最初は何気なく聞いていたが、私の説明が深まるにつれて、彼の目も次第に輝きを増していった。

私が描写したものがあまりにも完璧だと思ったのだろう。

李恒星は姿勢を正し、にこやかに私を見つめた。「これにはいくらかかるか、考えたことはあるのか?」

私は微笑んで答えた。「金額はそれほど気にしていません。ただこの企画を実現したいだけです。それに、初期投資...