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595話

「これは不当監禁だ!不当監禁だ!民家への不法侵入だ!」

季雪琪がこの別荘に足を踏み入れた途端、この怒号に心が沈んだ。

彼女には自分が何をしているのか理解できなかった。

彼女は弁護士なのだ。

小貴についてきて無理やり他人の家に入り込み、さらに尋問までするなんて?

少し笑い話のようではないか?

これは彼女の信条を完全に踏み越えていた。それに空港では単なる運転手だと思っていた、あの笑顔の若者が、まさか暴力団のボスだったなんて想像もできなかった。

本当に世の中何があるかわからないものだ。

先ほど小貴が手下たちと話しているのを、彼女は傍らで聞いていて、震え上がっていた。

「行くぞ」

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