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55話

「夜宴の七階は禁断の領域で、私は今まで六階が限界だった。神話の七階がどんな状況なのかは知らないが、きっと似たような雰囲気なのだろう。エレベーターの係員が『7』のボタンを押す時、その手が明らかに震えていたからだ。何か興奮しているようにも見えた。

七階で止まると、ある茶室の前まで案内され、係員は一礼して去っていった。

不思議に思いながら中に入ると、たちまち漂う沈香の香りが鼻腔をくすぐり、心身ともに清々しい気分になった。ここは中国の伝統様式で装飾され、古風な趣があった。屏風の前には座布団が敷かれ、私が入るとすぐにチャイナドレス姿の美女が笑顔で迎え入れ、その指示に従って私は座布団に腰を下ろした。

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