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517話

「林希儿はさっきの酔った様子がすっかり消え、羊脂の白玉のような彼女の頬が、学生時代のように変わらず純真で愛らしいまま、私の顔にすり寄せてくる。耳元で触れ合いながら、彼女は無言のうちに私の体の匂いを貪るように嗅いでいた。

私は何も言わず、動きもしなかった。

彼女も何も言わず、今回こそ本当に私自身の匂いを深く吸い込んでいる。

まるですべてが久しぶりのことのように。

彼女の呼吸は慎重で、夢のような香りに満ちていた。酒を飲んだせいで、彼女の頬は少し熱を帯び、あのナイトクラブでお馴染みのシーバスリーガルの香りが、彼女の口の甘い香りと混ざり合い、女性らしさの中に魅惑的な音色を織り交ぜ、自制心を失わせるほど...