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511話

「それも普通のことでしょ」

蘇娜は笑いながら言った。「芸術の世界では、こういうパーティーはよくあるわよ。例えば書道協会なんかでは、有名な書家の作品をオークションにかけて、その収益を協会に寄付するっていう形でね」

私は苦笑いしながら答えた。「それは彼らの世界の話だよ。学校がこういうことをするのは、さっき君が言ったように、何か場違いな気がするんだ」

蘇娜は肩をすくめて諦めたように言った。「百年に一度のことなのよ。母校がお金を集めることくらい、許してあげられないの?」

私もただ頷くしかなかった。

問題は、学校でこんな光景を目にするとは思ってもいなかったことだ。正直言って気が重い。キャンパスに戻ってき...