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476話

「あぁ……」

あぁ、あぁ。

こんなに突然、こんなに速く、こんなに不意に幸せが訪れるとは思ってもみなかった。

闇夜の美女の冷たく湿った舌が、熟練した動きで蠢き始め、渇望するように吸い始めた。その動きの激しさは男にも劣らず、欲望の強さ、舌の柔らかさ、そして仮面の下に一瞬現れたような色っぽさが、私をたちまち虜にした。彼女が爪先立ちで私にキスするとき、もともと胸元の開いたドレスを着ていた彼女の白く柔らかな胸が、時折私の胸に擦れ、数多くの男女の関係を経験してきた私でさえ、すぐに興奮を抑えられなくなった。

くそっ……

本当に凄まじい。

感覚的な刺激は、心理的な想像ほど強くない。すぐ側に林希児がいるかもしれ...