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461話

哈市のとある場所、地下一階。

ここは天国であり、地獄でもある。

その不可思議な雰囲気、神聖と堕落の間を漂う妖しさは、数多の男女を魅了してやまない。

豪華絢爛な宮殿のような内装、中世の油絵が飾られた教会のような空間。しかしそこでは数組の男女が、裸体となってこの世で最も原始的な行為に耽っていた。

ここには雰囲気を盛り上げる音楽も必要なく、教会の雰囲気を高める詠唱も不要だった。男の荒い息遣い、女の艶やかな嬌声こそが最高の楽章であり、最も心を洗う朝の鐘、夕べの太鼓なのだから……

彼らは皆、仮面を付けている。

誰も互いが誰なのか知らない。

ここに足を踏み入れる者は皆、この場のルールに従わなければならない...