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454話

「やっぱり何ともなかった!」

道中ずっと心配そうだった温楠が、また一つ料金所を通過したとき、私に抱きついて喜びを爆発させた。

料金所にも警察官が何人かいたが、私たちはかなり緊張していた。でも幸い、この交通警察は肇東のような厄介な連中ではなく、温楠は気丈に振る舞って車から降り、自分の証明書を見せると、すぐに通過できた。

その過程で温楠がどれほど緊張していたかは想像に難くない。彼女が平静を装っている姿に、私の胸は痛むほど締め付けられた。

彼女は、私が心から心配してしまう唯一の女性だ。

私は頷いて、にっこり笑った。「趙文昭は今、ハルビンにいるぞ」

私のどや顔に満ちた深遠な表情は、温楠からの反応を得ら...