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382話

「ちょっと迷ったけど、聞いてみた。「どこにいるの?」

「どこにいるか教えて。会いに行くよ」

「どの辺りか言ってくれれば。僕は五環にいるから、君が不便だったら」

時計を見てから、続けて言った。

「……ありがとう。北三環にいるわ」

「わかった。でも三万しか出せないよ」

向こうは少し黙ってから、「うん」と答えた。

立ち上がって服を着ると、深く息を吸い込んだ。

自分はどうしたんだろう。

何か憑かれたように承諾してしまった。あの日以降、もうこういうことはしないつもりだったのに。

まぁいいか……

なぜだろう、たぶん先ほど馬波から聞いた話で、この子は本当にお金に困っていて、彼氏が捕まったとかで。以前はこう...