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376話

彼女の容姿は極上と言うには少し足りないが、中の上といったところだろう。しかし、その全身から漂う雰囲気は野性に満ちていた。南方の少数民族出身らしく、肌は白くはないものの、均一な色合いをしている。それが生まれつきなのか、あえて日焼けしたものなのかはわからない。彼女が私たちの前に立った時、テーブルに斜めにもたれかかり、すべてがどうでもいいといった印象を与えていた。

彼女の冷たさは、本物の冷たさだった。

まるで世の中のすべてを見透かしているかのように。それは傲慢さからくる冷たさではなく、心が灰のように死んでしまったような冷たさだった。

彼女に見つめられると、人生そのものを疑いたくなるような感覚に襲...