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363話

「くそっ、やっと会えたな!」

胸の中で感情が一気に高ぶり、スマホを取り出して確認した。

「交差点、フォード・フォーカス」

たったこれだけの言葉を、俺は一ヶ月も待ち続けたのだ!

「どこに行くの?」

洛菁晨は俺が出ていこうとするのを見て、すぐに俺を引き止めた。

「ちょっと用事があるんだ」

俺は深く息を吸い込んだ。

こんな時に、ここにいる気なんてさらさらない。誰が俺を救ったのか、あの日一体何が起きたのか、そして今の自分がどういう状況なのか、知りたくて仕方がなかった!

これだけ悔しい思いをして待っていたのは、彼に会うためだったんだ。

「ダメよ、もうすぐお客さんが来るのに!」

洛菁晨は俺を行かせまいとし...