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361話

「私はさておき、まさか本当に失恋したんじゃないでしょうね?」

洛菁晨は面白そうな顔で私を見つめていた。

何だよ、その表情は?

元々気分がすぐれなかったのに、彼女にそんな風に見られて、思わず鼻で笑った。「俺みたいな学識豊富、健康優良、ユーモアセンス抜群で奥深い、それに腕っぷしも強くて面倒くさくない男を、誰が好きにならないっていうんだ?」

洛菁晨はちょうど口に含んでいた酒を、私の言葉を聞いた途端に噴き出した。それも直接私の顔に向かって。

くそっ……

「ごめんなさい、ごめんなさい、おじさん、我慢できなくて……」

洛菁晨は急いでティッシュを取り、私の顔を拭き始めた。

人をバカにしてるだろ!

私...