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270話

「まだ痛い?」

「うん……」

林希児のか弱い声が響いた。

初めてというのは、どうしてもこうなのだ。いくら前戯を重ねても、初めての時のあの引き裂かれるような痛みは、快感に置き換わるのが難しい。

私は林希児を抱きしめ、優しく髪を撫でた。

二人とも何も着けず、このまま寄り添って、素肌で触れ合う親密さを感じていた。お嬢様の肌の手入れは言うまでもなく良く、象牙のような肌は小さい頃から牛乳で洗ったかのようだ。今は徐々に赤みが引き、横向きに寝る彼女を私は後ろから抱きしめていた。

私の胸が彼女の背中に触れ、片手で髪を撫でたり、髪に沿って下に降り、あちこちを軽く揉んだり撫でたりしていた……

「もう、なんて意地悪...