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19話

「雪姐、ありがとう」

休憩エリアに戻ると、雪姐がまた化粧直しをしていた。次のステージに向かうところだった。

「お礼なんて何もないわよ。こういうことは日常茶飯事よ。もっと変態なお客さんだって山ほど見てきたわ」雪姐は微笑んで、まるで姉のように私の頭を撫でた。

「でも……」

言いたかった。でもこれは違うんだと。

他のお客さんがこんなことをしようとしたら、大金を払わないといけないのに、雪姐は私のためにやってくれたんだ。

もちろん、そんなことは口に出せなかった。

「どうしたの?まさか身を捧げて恩返ししたいとか思ってるの?あはは、あたしにはそんなイケメン君を独り占めする資格なんてないわよ!」

雪姐はくすく...