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158話

私は魂を失ったかのように病院を出た。

初めて林若がこれほど冷酷な姿を見せるのを目の当たりにした。かつて林希児と付き合っていたことを隠していたのは良くないことだと分かっている。だがそれも仕方のないことだった。

そもそも私と林希児の間には、そこまで親密な進展はなかったのだ。

あんなに可憐で柔らかな女の子だった林希児が、こんなにも気性の激しい一面を持っているなんて、本当に知らなかった。病院で公衆の面前で大騒ぎするだけでなく、今になって姿を消すなんて。

だけど。

自分勝手な私は、今この瞬間でさえ林希児のことを少しも心配する気持ちがなく、ただ林若の冷たさに苦しんでいる。

なぜだろう?

自分は本当に畜生だ...