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150話

道中、魂を失ったかのように歩き、私が借りていた部屋に着いたとき、ドアの鍵が既に替えられていることに気づいた。そこで思い出した。こちらの部屋はもう解約していて、今日は小貴が仲間を連れて荷物を向こうへ運んでくれたのだった。

苦笑いが漏れた。

心の中はずっと林若のことで一杯だった。この魅惑的な女性は、いつも私の冷静さを奪ってしまう。

再び階段を降り、車に乗って聴雨楼へ向かった。

これから、ここが私の新しい家になるのか?

そう思うと、やはり誇らしい気持ちが湧いてきた。

わずか一年余りの間に、私の運命は大きく変わった。辛酸も、悲憤も、諦めも、絶望もあったが、それでも乗り越えてきた。

今の私...