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15話

「どうした、気に入らないのか?」

戴茂林は険しい顔で俺を見つめていた。

「いや、何でもないです。じゃあ、失礼します、戴さん」

俺は苦笑いを浮かべながら、タバコを手に取って部屋を出た。

五元。確かに俺にとってはまだ魅力的な金額だ。だが、まさか戴茂林がフロアマネージャーの立場でありながら、たった五元の得にこだわるとは思わなかった。こんな人間を大物だなんて思えるはずがない。

「雪姉さん、どうぞ」

個室に着くと、タバコを雪姉さんに渡した。

「ん……」

雪姉さんは明らかに少し飲み過ぎていた。彼女は仕事中、いつも露出度の高い服装をしているし、どうやら個室のお客さんたちも彼女に手を出しているようだ。こういう...