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118話

泥棒毛は都会に出てきたばかりの若者だった。

幼い頃から不良で、怠け癖があり、こそ泥をする習慣が身についていたため、都会に来ても当然その悪癖は直らなかった。彼はただの目立たない街の男だったが、思いがけず幸運に恵まれた。

本当に目の節穴な女の子がいるもので、こんな泥棒猫のような男に惚れる子がいるとは。そうして彼は看護学校の女の子を手に入れたのだ。

その女の子もただ者ではなかった。泥棒毛と関係を持つだけでなく、彼に開発されたその女は、四十代の派出所副所長という年配の男とも関係を持つようになった。

これで泥棒毛は大したものになった。出かける先々で自分と派出所の所長は親戚だと吹聴するようになった。

同...