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10話

煙姉は酒を一口飲んだ。「夜のお店は複雑な環境よ。ここには玉石混交、いろんな人がいるの。変態も、ドラッグも…私たちは用心しないといけないわ。これは安全のための対策で、もちろん個室だけのことよ。もっとプライベートな場所には、絶対に監視カメラなんて置いてないわ」

「煙姉さんの言ってることは…」

私の心が躍った。

煙姉は意味ありげな笑みを浮かべながら私を見た。「でもね、夜宴で監視カメラの映像を見る権限は、かなり高いハードルがあるのよ」

「煙姉さん、あなたさえ手伝ってくれれば、私は…」

言葉がまとまらなくなったが、煙姉さんに何をお返しできるのか思いつかなかった。

「誰だって見返りなしで人を助けた...