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64話

雲想は本来断るつもりだったが、田小野が電話を奪い取り、彼女に代わって承諾してしまった。

「想ちゃん、今は適当に恋愛したくないのは分かるけど、人付き合いまで閉ざしちゃダメよ。友達が一人増えれば道も一つ増えるっていうでしょ?もしかしたら助けてくれる人に出会えるかもしれないじゃない」田小野は彼女の首に腕を回し、いつもの説教調で誘い込むように言った。

「単なる相親の代役よ」雲想は訂正した。

「じゃあ張先生の頼みを聞いてあげるだけよ。だって何回も心理カウンセリングしてくれたんだし」

雲想は「……」と黙り込んだ。

「ほら、考えすぎないの。もしイケメンだったら写真送ってね。あなたが要らないなら私が...