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49話

外は雪が激しく降っていた。墨祖国は本来、運転手に彼らを送らせようと思っていた。

墨星泽は雪の中で無邪気に足跡をつける雲想の姿を見て、それを断った。

「ハハハ」

雲想は目を細めながら、雪が一番積もっている場所に向かって足を踏み入れ、ブーツの表面が雪だらけになってから、嬉しそうに前へと歩き出した。

彼女のこんな子どものような行動を、墨星泽は面白そうに見ていた。

まさか数杯のお酒で雲想がこんな風に変わるとは思いもしなかった。

普段の彼女はあまりにも落ち着いていて、まるで自分の騒がしい様子を見る彼女は、弟を見るような錯覚を覚えることがあった。

鍾政鳴も評していたが、彼女は十七歳の少女というより、たまに...