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45話

「ふん、彼氏だろ、兄さんだなんて言って?」陸子鈞の言葉には酸っぱさが滲んでいた。

学校で何度か見かけていた、葉詩語と墨星澤が一緒に歩いているところを。

二人が付き合っているという噂は多くの人の口に上っていた。

彼のクラスでは多くの人が彼の葉詩語への想いを知っていて、彼女に告白したこともあった。

しかし、この氷山美人は彼のことなど眼中になく、会うたびに完全に無視されていた。

もし彼女が誰に対してもそうなら、まだ心は少しは晴れただろう。

どういうわけか、最近の葉詩語はどこか以前と違って見えた。

「今どきの子は大したもんだね、小さい年で彼氏を作って、それを兄さんなんて言うんだから、ちっちっち...」...