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43話

「東正」バーの中。

様々な男女が幻想的な光の中で体を揺らし踊っている。

多くの視線がバーの一角に集中していた。

若い男性が次々とグラスを傾け、もう一人の男性が隣で付き合っている。

二人とも際立つほどの容姿の持ち主だ。

座っていても、その長い脚は非常に目を引いていた。

紫色に染めた髪の女性が、耳に大きな銀の輪をつけ、目元には濃いアイシャドウを施し、カウンターに半分身を預けていた。彼女はグラスを持ち上げ、そのガラス越しに酒を煽る男性を眺めていた。凛とした顔立ちに端正な容貌、その酒の飲み方が、彼女の好みにぴったりだった。

「燕燕、ダンスしようぜ」金髪の男がおべっかを使って彼女に近づいた。

「行かない...