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37話

しかし、後になって雲想はこの問題について考えるのをやめることにした。

その夜、彼女はうとうとしながら、誰かが階段を降りる音を聞いたような気がした。

午前二時過ぎ頃、彼女は階下の話し声で目を覚ました。部屋から出てきた彼女は一瞬呆然とした。墨星澤が誰かを支えてソファに座らせているのが見えたのだ。

「やぁ~」

ソファに座った人物は顔が腫れ上がり、自称風流人が挨拶をしてきた。

残念ながら今の彼は酷く殴られて見るに堪えない姿で、口を開いて話すと顔全体が歪んでしまう。

かつての風流な姿はどこにもない。

雲想は黙って顔をそむけた。最初に見た時は、豚の頭のように腫れた人物が鍾政鳴だとは本当に分か...