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35話

夜の9時過ぎ、雲想は補習授業から出てくると、外で待っている墨星泽の姿を見かけた。

雲想は急いで彼の方へ歩み寄った。二人とも何も言わず、静かに路地を歩いていく。

「どうして補習を受けようと思ったの?」雲想は心の中の疑問を口にした。

残念ながら、相手は答えなかった。

雲想は気まずさを感じることもなく、それ以上何も言わなかった。

「お前が学歴も能力の一種だって言ったじゃないか」

「え?」

突然の声に雲想は一瞬ぼうっとした後、墨星泽が先ほどの質問に答えたのだと理解した。

墨星泽は少し気恥ずかしそうに早足で二、三歩進み、雲想が遅れていることに気づくとまた立ち止まって彼女を待った。

雲想は笑いを堪えた。彼...