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106話

「雲想は彼が言う対聯が他人からの贈り物だとは信じなかった。

でも、どうして彼が自分の外祖父の書いた対聯を持っているのだろう?

彼女には理解できず、見当もつかなかった。

思い切って続けて尋ねた。「誰からもらったの?」

「なぜそんなことを聞くんだ?」墨星澤は知らないふりをして聞き返した。

「この対聯の字は私の外祖父が書いたものなの。誰があなたにくれたのか知りたくて」雲想は隠さず、ありのままに答えた。

彼女は誰が外祖父の対聯を大切にしているのか知りたかった。当時彼女も一つ形見として取っておいたのに、弟の陸子鈞に部屋を荒らされ、対聯が田舎くさいと言われ、彼女が留守の間にゴミ箱に捨てられてしまったのだ。...