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20話

大師は難色を浮かべた。「私が修行している寺はここからまだ徒歩で三十分ほどかかります。それに、名の知れた場所でもないので、行っても期待外れになるかもしれませんよ」

李緒はそれを聞いて逆に嬉しくなった。大師ともっと深く交流できると感じ、懇願した。「人の知らないところこそ行ってみたいんです。大師、どうか連れて行ってください」

大師は渋々ながらも承諾し、興奮を隠せない李緒を連れて小道へと曲がった。

李緒は貴重な時間を無駄にせず、大師に教えを請うた。「大師、ずっと悩んでいることがあるのですが」

「何かね」

「密教には歓喜禅というものがあると聞いたのですが……」

大師の表情が一変した。「二度と...