3話
「第一場……『四書』制義題三……それは『夫子之道、已矣』、『博厚所以』……」赤髪の男は雪の泡を吐き出した後、ふと目を伏せて囁き始めた。
喬舫は最初は意味が分からなかったが、聞いているうちに次第に驚きを覚えた。これは科挙の院試の問題なのか？夢の中にいると自覚しながらも、おろそかにはできず、一言一句注意深く記憶した。
「……天に逆らい運命を変えれば、必ず代償を払うことになる……」赤髪の男はゆっくりと言い終えると、その姿はたちまち薄くなり、もはや耐えられないかのように気を失った。
黒い霧が急に散り、喬舫は大声で叫びながら飛び起きた。自分がまだ寝室にいることに気づいた。妻の罵りを無視し、綿の長着を羽織って書斎へ駆け込み、灯りをつけて記憶した試験問題を書き留めた。
それから二ヶ月余り経ち、喬舫は再び凶獣の夢を見ることはなかった。試験の日が近づくにつれ、彼はますます不安になっていった。夢で見たことが全て虚しいものだったらと恐れる一方で、自己の運命が既に決まっており、合格できないのではないかとも心配した。
数日後、喬舫は不安を抱えながら試験会場に座っていた。長い髭の試験官が問題を読み上げた時、彼は自分の運命に転機が訪れたことを悟った。赤髪の男が告げた問題が、全て的中したのだ！喬舫はかろうじて最下位で合格し、三十を過ぎても童生のままという恥辱から解放された！
彼は木箱を取り戻し、再び位牌の前に供えた。
しかし、人の欲望に果てはあるだろうか？一つあれば二つ、二つあれば必ず三つ目が生まれる。ここで喬舫と画霊と凶獣の間の因縁が終わるわけではなかった……
道家では、混沌から太極が生まれ、太極から陰陽両儀が生じ、両儀から四象が生まれ、四象から八卦が生じ、八卦からあらゆるものが生まれると説く。
果てしなく長い歳月の中で、画霊はしばしばこの画巻の中が一つの混沌であり、自分とあの凶獣が太極の陰陽のように無知無覚のまま一所に巡っていると感じていた。
数千年の時が静かに流れ、喬氏の不肖の子孫に呼び覚まされた時、彼の記憶は混濁し断片的で、画霊となる前の自分が何者だったのかさえ思い出せなかった。これが凶獣を導く代償なのだろうか？彼はなぜ喬氏の先祖と契約を結び、自分とは無関係だった凶獣を導くためにこのような代償を払うことを自ら望んだのだろうか？
多くの解けない疑問が頭の中を巡り、画霊が再び眠りに落ちると思った瞬間、画巻の封印が再び解かれた。
「わ、わたしは……郷試を控えており……」喬家の若者は目を泳がせ、恐れの中に貪欲さを隠していた。
画霊はこの男を嫌悪し、相手にするつもりはなかったが、思いがけずその男は態度を一変させ、脅すように言った。「秀才の年収はわずかなものだ。もし挙人に合格できなければ、家計を補うためにあの箱をまた質に入れざるを得なくなるだろう」
画霊は殺意に駆られ、この男を引き裂いて腹に詰め込みたいと思ったが、彼は画中に閉じ込められており、さらに無数の漂う声が経を唱えるように繰り返し響いていた。「吾、喬氏一族と契約を結び、元神を以て猰貐を正道に導くことを厭わず、死なずとも休まず……もしこの契約に背けば、形も神も滅ぶであろう……」
古の契約には、行いがあれば必ず結果がある。「死なずとも休まず」、「形神俱滅」、このような重い誓いは、決して反故にはできない。画霊はたちまち胸が裂けるような痛みを感じたが、その痛みも殺意を抑えることはできなかった。自分がなぜ最初にこの約束をしたのか分からないながらも、心の中には一つの執念があった——どんなことがあっても封印を、凶獣を守らねばならない。やむを得ず、彼は再び長い鞭を凝らせた。
赤髪の男は鞭の先から巻き起こる凛とした狂風の中で絶叫を上げ、まだ癒えていない古傷が再び裂け、血の霧が噴き出した。