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77話

「ここで待っていて、俺が行く」

越野車の中で時間が少しずつ過ぎていった。どれくらい経ったのか分からない中、突然、陳烽の声が響き、彼がドアを開けて出ようとした。

「正気か？止まりなさい！」

夏麗は慌てて叫んだ。「せっかく彼があなたを救い出したのに、その苦労を無駄にするつもり？」

「じゃあ今どうすればいい？丁兄の生死も分からないのに、俺はただ見ているだけでいいのか」

丁逸は、人情の冷たさを知り、孤立無援となった陳烽の人生において、この世界でまだ信じられる唯一の存在だった。そんな人物が今、生死の境をさまよっているかもしれない。彼がどうして黙って見ていられるだろ...