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527話

「実は、その箱の中には石ころ一つ以外、何も入っていなかったんだ」

実は、皆気づいていた。張輝にはそもそも黒蛟龍の鱗などなく、あれは全て人を騙すための見せかけに過ぎなかったのだ。

張輝はこの時、口元を歪めて妖しい笑みを浮かべ、張雨晴を見やりながら言った。「張おばあさん、それはどういう意味ですか?何が私があなたを騙したって?あの時、この箱を渡すつもりだったのは大叔父さんで、あなたじゃなかった。あなたが奪っていったんですよ。しかも中身も確認せずに。どうして逆に私が悪いみたいに言うんですか?」

「お、お前この小僧...偽物のためにこの私が命を落としかけて、こんな重傷まで負ったというのに。この借りは、今...