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40話

少女の春の恋心を思わせるその姿に、丁逸は胸が高鳴るのを感じた。

そして李筱婷の言葉が続いた。「あんな感じの…神秘的で、強くて、冷酷で、ただそこに立っているだけで、万人を見下すような気概を持った人」

一筋の光の中、両手をポケットに入れ、敵を踏みつけるような傲然とした姿が目の前に浮かんだ。

丁逸は思わず鼻を掻きながら言った。「そういうタイプの男なら、何かを大切にするなんてことはないんじゃないかな。正直に言うと、恋人を求めるなら、そういう人は向いていないよ」

何も大切にしないのか…

李筱婷は胸が痛むのを感じた。そして昨夜の、ほとんど理不尽とも言えるキスを思い出した。

優しさもなく、同意を求...