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386話

楊保国の顔は今や冷や汗で覆われ、顔色は青白く変わっていた。

張輝の心も少し緩み、胸に抱えていた重荷が徐々に下りていった。

彼はゆっくりと足を下ろし、素早く矢を手に取った。すると、矢に布包みが結び付けられていることに気づいた。

張輝が布包みを開くと、中には一枚の紙切れと、金の龍が刺繍された口罩があった。

紙には簡潔な内容が書かれていた。「隊長、俺たちの最後の対決が始まる。待っている」

その口罩にはまだ血痕が残っていた。この口罩は張輝に多くの記憶を呼び起こさせた。

かつて、彼と劉文強は肝胆相照らす生死を共にする兄弟だった。ある任務の遂行中、張輝と劉文強は立て続けに負傷した。特に張輝の怪我は深刻だっ...