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340話

張輝が龔柔佳を抱きかかえてソファに倒れ込んだ瞬間、頭上を「シュッ」という音と共に冷たく鋭い刃が掠めた。

「カーン」と、その短刀は目の前の楠木の肘掛けに深々と突き刺さった。

龔柔佳はまだ動揺が収まらず、頭上に光る短刀を見て思わず冷や汗を流した。

張輝が咄嗟に身を挺してくれなければ、今頃その短刀は彼女の体に突き刺さっていたに違いない。

しかし、男性にこのような恥ずかしい形で押し倒されるのは初めての経験だった。龔柔佳は少し戸惑い、顔を赤らめながら張輝を見て、気まずそうに言った。「張院長、あの、その…立ってくれませんか」

張輝はようやく我に返った。実のところ、龔柔佳の体は本当に柔らかく、弾力のある体...