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231話

瀛洲の内部は、緑洲とやや似た景観を呈していた。だが、実際のところ、緑洲よりも遥かに危険な場所だった。緑洲には猛虎や野獣が多いが、瀛洲では妖獣が至るところに潜んでおり、さらに瀛洲の深部には、より恐ろしい存在が潜んでいる可能性さえあった。

ここの霊気は緑洲よりも豊かで純度が高い。さすがは三大仙島の一つだ。この地は、上古の時代においても、多くの強者たちが争奪した宝地だったに違いない。

「ん?この匂いは何だ?」丁逸の鼻は鋭敏だった。というより、彼の感覚は普通の人間より遥かに鋭かった。空気中に漂うその焼き肉の香りは、妖獣でさえ気づかないようなものでも、彼には嗅ぎ取れた。

「肉の匂いだ。しかもこの血...