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166話

狂気に身を任せた山本赤天は、それまでの窮屈な束縛感をすべて投げ捨て、その戦闘力も前例のない高みへと引き上げられていた。

この狂乱の状態において、彼の武士刀は大振りで豪快に振るわれ、その剛烈な刀法は、まるで空気さえも両断しようとしているかのようだった。

彼の通り過ぎる場所では、土煙が立ち上り、地面からは無数の砕け石が舞い上がっていた。

丁逸はその様子を見て、表情を引き締めたが、恐れる様子は微塵も見せなかった。彼が山本赤天との一戦を選んだのは、単に勝利するためだけではなく、強者との対決を通じて自らの実力を高めるためでもあった。

そして、丁逸も決して怯むことなく、すぐさま剣を構えて応戦した。...