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165話

広大な試合台に、突如として風が吹き荒れ、一面の砂塵が立ち込めた。

しかし、渦巻く砂塵も場内の二人に影響を与えることはなかった。彼らはただそこに立っているだけで、まるでこの天地が二人を中心に回転しているかのようだった。

砂塵の向こう、観客たちははっきりと見ることができず、場内に青白い二筋の微かな光が揺らめいているのが見えるだけだった。青い光の位置は丁逸が立つ場所であり、白い光の位置は山本赤天がいる方向だった。

今や観客たちは言葉を失い、ただ呆然と場内で輝く二つの星を見つめていた。

体育館内に風はないはずなのに、丁逸と山本赤天の二人の衣服は風もないのに揺れ、はためいていた。

「ドン!」

突...