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125話

空っぽの大広間、中央には一つの石棺が横たわっていた。

これが目に入るものの全てであり、皆の想像とは異なり、信じられないほど質素なものだった。

女性が先に歩み入り、数歩も進まないうちにその棺の前で足を止めた。一瞬、表情が複雑になり、棺を開けようとするが、指先が微かに震え、どうしても手を下すことができない。

三人は顔を見合わせた。

「おい、ここには宝物らしきものが何もないじゃないか。あの呉という爺さんに騙されたんじゃないのか?」

「俺もそう思うよ。棺桶一つしかないなんて、からかってるとしか思えないぜ」

「様子を見よう。まだ状況がはっきりしていないんだ」

数人がひそひそと話している間、もう一方では、...