若様 、王様は男娼です

94話

梅園に戻ると、ちょうど朝食の時間だった。之晏はこっそり部屋に戻って本を読もうと顔を覗かせたが、萧晔が両手を背中で組んで入り口に立っているのを見つけた。

萧晔の表情は見えなかったものの、之晏は部屋の気温が急に下がったような感覚に襲われ、思わず身震いした。之晏は苦しげに唾を飲み込んだ。

「跪け！」萧晔がようやく振り向いた。案の定、氷のように冷たい顔で、暖かみは微塵も感じられなかった。之晏は心臓がドキドキと震え、その一言を聞いた途端、脚の力が抜け、ドサッという音と共に膝が床に打ち付けられた。

萧晔は手を背中で組んだまま、顔は氷の破片で覆われたように冷たく、目には不可解な感情が宿っていた。之晏は...