若様 、王様は男娼です

75話

「萧晔の眉がぴくりと動き、朱颜の方を見た。彼か。喉を軽く鳴らし、少し不自然に言った。「知っている」

朱颜は諦めきれない様子で、罵った。「萧晔、お前は本当に昔と違うな。あいつがお前にこんな仕打ちをしても、許せるのか？」

萧晔は杯を取ろうとした手が一瞬止まり、少し震えた。壺からお湯を注ぐ際、いくらか机の上にこぼれてしまった。

「彼は別に私を傷つけるようなことはしていない。当時のことを知らないのだから、萧钦と組んで私に対抗するのも当然だろう」

朱颜は目を丸くして、思わず呟いた。「お前、全部分かっていたのか」

萧晔の胸に痛みが走り、寝台で熟睡している之晏に向ける視線はどこか遠い。語気には寂し...