若様 、王様は男娼です

66話

立ち上る湯気の向こう側から、之晏はその鍋から一口だけ麺を箸で取り上げた。

真っ白で透き通るような麺から、甘い香りが鼻腔に駆け上がる。之晏はゆっくりと口の中で噛みしめ、一度、また一度と咀嚼した。

立ち昇る湯気越しに、之晏は萧晔の顔をはっきりと見ることができなかったが、星のように輝くあの瞳だけは、きらきらと光を放ち、どういうわけか心が安らぐのを感じた。

之晏の目の前は湯気で霞んでいた。萧晔も頭を下げて麺を食べながら、時折冗談めかして尋ねた。「味の方はどうだ？まあまあいけるか？」

「うんうん、むぐむぐ」

狗蛋儿は口いっぱいに麺を頬張りながら、萧晔の問いに答えようとしたが、何を言っているのかはっきりと...