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65話

「さあ、私について来なさい」

蕭曄は跪いていた足が痺れていることに気づき、立ち上がる際に思わず足をさすった。

之晏はそれを見て胸が詰まる思いだったが、蕭曄にどう声をかけたらいいのか分からなかった。

華やかな衣装に身を包み、水面を行くかのように、之晏は軽快に歩いていた。蕭曄はなぜか安堵を覚えた。彼の体調がすっかり良くなったように見えたからだ。

之晏が部屋の入り口に着くと、冷たい風が一陣吹きつけ、彼は不意に身震いした。蕭曄は眉をひそめた。

「これを羽織りなさい。風邪が治ったばかりだから、まだしっかり体を守らないと」

そう言って蕭曄は之晏にマントを手渡...