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53話

いつからだろう、まるで緊張した競争がようやく決着を見せ始めたかのように、田野はその広大な胸の内から悠々とした息吹を漏らし始めていた。斜面や盆地には水のような澄み切った空気が広がり、あたり一面の木々や作物も微風に揺れ始め、葉は余裕を持って穏やかに揺らいでいた。

露が戻ってきて、朝夕に畦道を潤し、静かに田んぼに宿っていた。霧も盆地に舞い降り、静かに漂いながら、もう谷間には戻ろうとしなかった。陽の光はまだ明るいものの、もはや背中を焼くほどの痛さはなく、寛大で清らかになり、まるでついに力尽きて田野を蒸し焼きにする力を失い、田野と和解したかのようだった。

蕭晔たちは一日中歩き続け、朝の日差しが雲の合...