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46話

之晏は小さく啜り泣き始め、その吐息が萧晔の耳元に温かく届いた。萧晔の胸は猫に引っ掻かれたような痛みを覚えた。

彼には、今の之晏の静かな涙が本当の感情の表れなのか、それとも自分に見せるための演技なのか判断できなかった。

だが確かに胸が締め付けられ、彼への心配で一杯になっていた。

「もういいから、立ちなさい」

萧晔は衣服についた埃を払い、強く手を引いて之晏を立たせた。

狗蛋児に手招きして、こちらに来るよう合図した。

之晏は鋭い目つきで狗蛋児を睨みつけたが、狗蛋児はそれに気づかないふりをし、小包を抱えてちょこちょこと駆けてきた。

「よくやった、よくやった。これをやろう」

萧晔は満足げに微笑み、狗蛋児...