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44話

「先生は温厚で心が広く、性質は純良で山水の楽しみに安んじておられました。故郷を離れ、俗世から遠ざかって道を求める方であり、学問の良き師であり、道における親友でした。このような道の君子、厚徳をもって万物を載せ、上善は水のごとく、万物を利して争わないという方が、それでも無妄の災いを避けられませんでした。今や、この荒涼とした地に沈んでいるのは、ただ一堆の枯れ骨だけ。彼の一生の求めるところは、心に少しの自在があればよいだけだったのに、このような結末を迎えるとは、何が是で何が非でしょうか。見るに、万物を載せるにも厚徳を旨とするだけでは足りず、時勢を見極めて行動すべきなのです。上善は万物を利するとはいえ、...